【デザインセンターがマッチング】廃棄物を蘇らせよう!コルクアップサイクルプロジェクトとは?

可愛いメモスタンドやおしゃれなリースたち…

実は、これら全部廃棄されたコルクでできているんです!!

 

ヨコハマSDGsデザインセンターでは、企業と消費者を繋ぐ事業者と市内唯一のガラスびんリサイクル事業者のマッチングに成功し、

コルクアップサイクル事業」がスタートしました!

 

アップサイクル」とは、ただのリサイクルや資源をまた同じ姿に戻すのではなく違った姿で生まれ変わらせることです。

 

食空間プロデューサーLikoの原田紀子代表とソーシャルリサイクリングカンパニーを目指すマルニ商店の栗原清剛代表取締役社長に舞台裏を伺いました。

栗原さんはヨコハマSDGsデザインセンターで環境(リサイクルデザイン)のコーディネーターも務め、今回のプロジェクトの橋渡しをしてくださいました。

(文末にはスペシャルコメントもあるので読み逃しなく!)

 

ーLikoの代表で食空間プロデューサーの原田さんは、大手電機メーカーなど25年のキャリアを積んだ後、テーブルコーディネーターや食空間プロデューサーとして活躍しています。

様々なSDGsな取り組みをされいますが、そもそもLikoがSDGsに取り組もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 

原田さん

「テーブルコーディネーターとしてワークショップなどを開催していましたがコロナが直撃!そこでコロナ禍でワークショップができない代わりに、以前より行っていた器のオンラインショップ経営を2店舗に増やしました。

知っていました?テーブルコーディネーターで活用する食器などのテーブルウェアって何度も使用することはできず、廃棄してしまうんです!

仲間と『廃棄ってもったいないよね』と話すうちに古物取扱の許可を取得して、廃棄するテーブルウェアを寄付していただいたり、東日本大震災の被災地の器を取り扱ったりして販売をはじめました。そのうちSDGsが声高に叫ばれるようになり、取り組みがSDGsだと問い合わせが増え、色々な人たちと繋がるようになりました。

テーブルウェアの販売を機に、マルシェで神奈川県内の山北のお茶や葉山の蜂蜜などを販売したり、菊名のレストランとコラボしてお茶と蜂蜜を使ったバターサンドを作ってもうなど地産地消をテーマにしたSDGsにも取り組んでいます。マルシェでしか買えないので、バターサンド目当てで来てくれる人もいて、お茶も蜂蜜もレストランもトリプルで宣伝できるのでありがたいです。」

 

 

 

 

 

原田さんは、Liko SDGsをメンバーと立ち上げ、活動を通して多種多様な企業や店舗と関わりが持てるようになったと言います。今後は企業と消費者や地域が繋がる輪を広げていく活動を進めていきたいと意気込みます。

その一環で、始まったのがコルクプロジェクトです。

 

原田さん

「蜂蜜は養蜂場が大きな瓶で販売しています。

私たちが取り扱う際は、お試しサイズで売りたいと思い、小瓶を探していました。

ヨコハマSDGsデザインセンターに相談し、紹介されたのがリサイクル事業者(リサイクル瓶の販売など)のマルニ商店さんです。

たまたまご挨拶に伺った時、栗原さんと年齢や地元が一緒ということもあり、ざっくばらんに話をしてもらえる状況で、これも縁かなと思いました。(笑)

工場見学の際に、ワインの瓶はリサイクルをしているけど、コルクを廃棄していることを知りました。

Liko SDGsのメンバーから『コルクのアップサイクルをしたい』と提案があったところだったので、『捨てるなら、譲ってください』と栗原さんにお願いしたのが始まりです。

福祉施設など障がいのある方々の就労支援にと知的障がい者の通所施設「WAKAMIYA」で回収した瓶から取り出したコルクの洗浄作業を担っていただくことになりました。

皆さん、どこまでやれるかわからなかったのですが、保護者の方々からは『危なくないし、数える練習にもなって役に立っているからこの仕事を続けてほしい』と言っていただけました!

先日、イベントでコルクのリースを作るワークショップは好評でした!作品を展示していたら、ご年配の方からみんなで作りたいから50セットを欲しいと言われたんですよ。」

 

 

 

ーコルクのアップサイクルを提案したのが、Liko SDGsのメンバー宇田川聡子さんです。

宇田川さんにとってコルク事業は特別な思いがあると言います。

 

宇田川さん

「テーブルコーディネーターとしてネームプレートやカトラリーレストを自分で製作していました。

実は、知的障がいがある息子が通所する施設で、コルクを仕分ける作業をしていたのですが、テレビで店舗などからコルクの回収→息子の障がい者施設での洗浄・乾燥・仕分け→そのコルクの回収後コルクを粉砕し、新たなコルク製品に加工といった一連の流れが紹介されていました。

色々調べてみると、コルクの再利用が広がっていることを知り、コルクの“一生”について何らかの形で伝えられたらいいなと思ったんです。

コルクの作品だけでなく、障がい者施設でコルクの洗浄が行われていることなどアップサイクルまでの過程についてもイベント等で伝えていきたいです。

コルクには色々な種類、デザイン、形があって面白いんです。飾ってもらってほっこりしてもらうなど手にした方が自由に使ってもらえたら嬉しいです。」

 

 

 

 

ーコルクは廃棄されているというお話がありましたが、実際にはどれくらいのコルク=ワイン瓶が回収されているのでしょうか。

 

栗原さん

月間1700tのカレット(ガラス製品の破砕されたガラス屑)を再資源化に取り組んでいますが、そのうち4割が緑の瓶でさらに6割がワインを占めています。

ですから全体の約25%がワイン瓶=コルクですね。

コルクのゴミが出るのが面倒なのか、空き瓶に栓をして飲食店や一般家庭から出されています。

我々は瓶だけを回収したいのですが…コルクは再資源化されないのです。

ワインの人気やコロナ禍で家飲みも相まって、ワインの販路が広がっているので回収される瓶の数は年々増えています。」

 

ーコルクはリサイクルされないのであれば、瓶とコルクの仕分けは大変ではないのでしょうか。

 

栗原さん

「いちいち手間だなと思っていました。廃プラのカテゴリーで廃棄していました。

以前、特別支援学校の先生から『コルクを授業で使いたい』と問い合わせがあり、コルクを提供すると、子どもたちも喜んでくれたんです。

でも、施設へセールスに行くほどでもなく、ゴミにしようかと思っていた矢先、Likoさんからのお話があり、価値を感じてもらえてよかったと感じています。

どうしてもコルクを取り除けないものもありますが、7-8割のコルクを提供しています。」

 

ーゴミが、皆さんや障がい者の方々の手によって人々の癒しへと生まれ変わっているだなんて本当素晴らしいですね。

会社にも新しい風が吹いているのではないでしょうか。

 

栗原さん

「結局、選別して使えないものはゴミになるし、回収作業も増えてしまっています。

現場社員から、『コルクも取るんですか?』と嫌そうに聞かれたこともありますが、『ゴミ処理代いくらか知っている?このコルクどうなるか知っている?』と解いて回っています。みんないい人になっていきますね笑 

ゴミ処理代は月1万円程度ですが減っています

アップサイクルは、僕にはないチャンネルなので、色々な発想で提案してもらえるのはありがたいですね。中小企業は経営者の感性で動かないといけません

リサイクルの発想転換だけではやっていけないので、連携できる方がいて助かります。

障がい者の方に作業してもらえることは僕では辿り着けないチャンネルなので、障がい者の方々と一緒にサイクルが回っていることは嬉しいことです。

会社のノベルティとして製作をお願いしようと思いますが、キャラクター物とか子どもたちに喜んでもらえるものがいいですね。」

 

 

ーLiko SDGsの今後の展望、どのようなこと考えているのでしょうか。

 

 

原田さん

「私は横浜生まれ横浜育ちなので、横浜を拠点に活動したいと昔から思っていました。県内の特産物を横浜で加工して販売するバターサンド然り、横浜(マルニ商店)で回収されたコルクのアップサイクル然り、神奈川県や横浜市内の“恵み”を新しい形にして発信していきたいです。

地域と企業との距離がグッと近くなり、ミックスした活動を展開していきたいですね。

SDGsは身近になりつつありますが、企業がやっている取り組みで、地域の主婦の方やお年寄りの方々が関わるのは難しいものだと思われがちですが、

地産地消のモノを売り買いしたり、廃棄される野菜を使ったりすること自体がSDGsなんだと感じてほしいです。

小さなことでも、SDGsに気付けるようなものを提供していけたらいいですね」

今後は蜂蜜の瓶の回収も視野に入れるなど、SDGsの“作る責任、使う責任“をとことん追及したいと意気込む原田さん。

 

 

Likoはハワイ語でつぼみという意味。

“つぼみ”から美しい花が咲き、誰もが幸せに生きられる未来へと繋げていく…エネルギッシュな女性3人のアイデアが循環型社会に変化をもたらしています。

皆さんも一度、Liko SDGsのイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

 

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【スペシャルコメント】

Liko SDGsの松田悠希さんもコルク製作をしたり、インスタで情報発信したりしていますが、本業は日本茶のアドバイザー!

超おいしい日本茶の煎れ方を伺いました。

 

松田さん

「地産地消ということで、県西の山北で茶葉を栽培している井上さんの“井上茶”を取り扱っています。農薬を一切使っていません。後継者がおらず、応援したいという気持ちもあり、イベント等で売ったりしています。コルクのワークショップで日本茶の美味しい飲み方もレクチャーしています。」

 

☆おすすめの飲み方

 

・水出しの場合

1リットルの水に大さじ2杯程度の茶葉(茶葉袋に入れると便利)を入れる。

 

・ホットの場合

茶葉は低温の方が、旨味が出るのです!

低い方が、カフェインが抑えられるんだとか。

熱いと旨味が出ないので、お湯を注ぐ時は80度まで下げて飲んでね

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