「人と街が輝く未来のために」 (株)キクシマの挑戦とは

DREAM DOOR YOKOHAMA HAMMERHEADやZAIMOKU THE TERRACE、住宅や保育園に養護老人ホームなどなど、横浜の街を歩くとオシャレでモダンかつ温かみのある建物が、街の中に溶け込んでいる。

 

手掛けるのは横浜市のSDGs認証制度“Y-SDGs”で最上位ランクの認定を受けた総合建設業の株式会社キクシマだ。

事業者が認証制度を活用しSDGsに取り組むことで、持続可能な経営・運営への転換、新たな顧客や取引先の拡大、さらには、投資家や金融機関がESG投資等の投融資判断への活用につなげることを目指す。

 

Supreme(Y-SDGs最上位)の認定理由の一つに、工事代金の一部をSDGs実現のための活動に充てる「キクシマSDGs基金」の設立がある。

 

株式会社キクシマ 代表取締役 菊嶋秀生社長にSDGs実現に向けた思いを伺った。

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17 のゴールの目標達成 に向け「キクシマSDGs宣言」をした背景とは?

 

「企業や人が社会の中で存在していくために17のゴール達成は不可欠です。我々がその役割を担っているわけです。

社会・お客様に評価され、社員から支持され、誇れる会社であることは、企業の永続性につながります、まさに「社会・お客様・会社」の三方良しですね。」

 

SDGsの目指す社会像がキクシマの「輝く人と街の未来」と合致しているという。

キクシマでは、「キクシマSDGs宣言」を4本柱で発表。

 

  • 目的:街に輝きをもたらすモノづくり企業として何を作るか
  • 手段:製造工程にサステナビリティを
  • C S R:人に輝きをもたらすきっかけづくり
  • 基金:パートナーシップの力で目標達成に向けて

 

このうち、キクシマSDGs基金では今年横浜市内のNPO法人「NPO法人 海の森・山の森事務局」に集めた基金を寄付した。

 

「海の森・山の森事務局は水質汚染に対する環境活動を長年実施し、社内向けの勉強会も開催してくれるなど、地元の団体として水源保全に尽力されてきました。水の問題については世界的な問題です。海プラ問題など危機にさらされています。地球の循環の中で水は重要で、我々が生きていく中で必要なモノです。実際に道志村での間伐作業や、地元の川が汚染された状況を目の当たりにしてきました。横浜は水辺の街ですが、人々が暮らす生活の場が脅かされています。もう一度自分たちの手で美しい街を取り戻したいのです。」

 

大岡川のごみ拾いや、小学校等への地球環境に関する出張授業、マイクロプラスチック撲滅プロジェクトなど、環境保全・再生などの活動に充てるという。

 

キクシマでは、上述したようにY-SDGs「Supreme」認証を受けた。認証による効果は出ているのだろうか。

 

「認証を受けたことで、SDGs が中小企業にとっても身近な存在になりました。社員にとってもモチベーションになっています。今後の挑戦になったり、事業の見直しにつながったりと、“これからの社会にとって必要な企業とは?”ということを問い直してくれる良い機会になりました。」

 

一方で、SDGs実現に向けた取り組みは、働く人たちの賛同や正しい情報の周知など社内での課題が多いと頭を抱える経営者も少なくない。

キクシマではSDGsを浸透させるために、どんな対応策を取ったのだろうか。

 

「確かに“なんのために?”という声はありましたが、少しずつ現場に浸透していきました。

当たり前にモノを大切にする雰囲気が生まれ、産業廃棄物の低減やリサイクルなど4Rが習慣化されました。目標値などを提示して見える化することで根付いていったと思います。

資材も安いからと”不法伐採された資材”ではなく、適正に管理されている資材を仕入れるようにしています。またSDGsに取り組んでいる企業から資材などを導入・採用をしています。」

 

キクシマでは、すんなりと社内の理解も得られ、企業が一丸となって目標に向かって邁進している。

それでも、菊嶋社長は“限定的だ”と指摘している。

 

「一過性のものにしないよう社内で、SDGとは何か、数値目標の理由など定期的に勉強会を開催します。大元を知れば理解を深められると思います。

目標とすべきゴールがずっと同じでは変えていけません。常にアレンジしながら、さらなる高みに向けて目標を設定し直すのです。一企業でやれる事は限定的ですので、協力会社への支援を求めていきたいです。

社会全体が変化して、一過性のブームに終わらせてはいけません。言い訳では終わらないようにする!

S D Gsそのものが本業とずれたものでは“自己満”に終わってしまいます。企業の成長にもつながるよう、どう磨きをかけていくかが大事なのです。」

 

中小企業は、我が国421万企業のうち99.7%を占める。

「社会・お客様・会社」の三方よしの精神で、中小企業が本気でSDGsに貢献することは、サスティナブルな社会実現に必ずつながる。

人と街が輝く未来を見据えたキクシマの取り組みは、SDGsと真摯に向き合い、他社との差別化も図れる、明日にでも行動に移せる良い事例ではないだろうか。

 

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